現場の電圧が低い!?昇圧機で電動工具の出力を改善して効率アップ!

・斫り(はつり)屋が感じるストレス「電動ハンマーの力不足」を昇圧機で改善!

こんにちは!湘南ユーテック合同会社です!

私たち斫り(はつり)屋にとって電動工具・特に電動ハンマーはまさに「仕事をする上での相棒」であり、
そのパワーを左右する電力次第で作業の進捗が大きく変わると言っても過言ではありません。

⭕️特にコンクリート躯体の不要部分を削り取り、仕上げに向けて形を整える上で、そのパワーを生み出す電圧はとても重要になります。

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💡しかし、現場でこんな「地味なストレス」を感じていませんか?

「大勢の職人が同時に電気工具を使い、ピックの振動が弱く作業が進まない」

「急いで斫ってくれと言われてもコンクリートを破砕するのに十分な電力が供給されず、時間がかかる」

建設現場|分電盤周りで電圧低下を確認する斫り職人


電動工具が動かないわけではないが、コンクリートを破砕するには「不十分な電力」で、
ハンマーが唸るばかりで効率が上がらない――
これは、多くの現場で職人が無意識に我慢しているリアルな問題です。

今回は、この建設現場で起こりがちな慢性的な「電力不足」という現場の盲点を改善し、
作業効率を一段階引き上げるために一斫り職人として私が行なっている
小型の昇圧機を持ち込むという選択肢についてお話ししたいと思います。

日動工業 M-E20|建設現場向け2kVA昇圧トランス

 

この記事を読んでほしい方

  • 現場の電源に対して作業員が多く、電動工具の力不足を感じている方
  • 不適切な電圧による工具への負担を感じ、電圧の最適化をしたい方
  • 単純にゴリゴリにパワーアップした電動工具で作業を進めたい方
  • 昇圧機というツールを、プロの道具として正しく理解し現場に貢献したい方

 

 

・「100V工具で100Vのパワーが出ない」建設現場のリアルな電源実感

hitachi(現hikoki) 電動ハンマー h41sa2

☝️現場には、各作業エリアに分電盤やコンセントが用意されていますが、そこで安定した電源が確保できるとは限りません

原因は多様にあると思いますが、主に2つをピックアップ。

  1. 長距離配線による電圧降下:
    作業エリアが分電盤から遠い場合、長い延長コードを使用することで、必然的に電圧が低下します。
    また、分電盤から始まり足場や各エリアに張り巡らされたスズラン状のコンセントも同様です。
    メインの電源分電盤から離れるほど電圧が低い印象があります。

  2. 他業者による高電力使用:
    他の業者が高速カッターや大型の機械を稼働させた瞬間に供給電力が分散され、
    私たちが使える電圧がグッと落ちてしまうのです。
    出力が弱くて作業が進まないどころか、容量が足りなくなりブレーカーが落ちてしまうことも。


・電圧が低いまま電動工具を使用すると寿命を縮めることも!

☝️電圧が低い状態で、強力な破砕力が必要な斫り作業を続けると、
電動ハンマーは本来の性能を発揮できないばかりか、
電動ハンマーに余計な負担がかかっている状態になります。

これは、結果的に工具の寿命を縮めることにも繋がり、安全面でも、コスト面でも「もったいない」損失です。

なんで電圧が弱いと工具に負担になるの?
軽い力で動くだけでしょ?

これを説明するには少しだけ電気について理解しなくちゃいけないんだけど、

簡単にいうと…
低い電圧で動かすと、同じ仕事量をするために電流が増えやすくなり、
その分モーターの発熱やブラシ摩耗が増えるんです。

 

 

【豆知識】なぜ電圧が低いと、工具が壊れやすくなる

この「電圧が低いと壊れる」現象には、明確な理由があります。

  • モーターの使命と過電流:
    電動工具には「このパワーを出せ!」という使命があります。
    電圧が低いと、工具は使命を果たすため、足りない電圧を補おうとして【設計以上の過大な電流】を吸い込もうとします。

  • 熱による破壊の連鎖:
    この過大な電流は、モーターコイルを異常発熱させたり、さらにカーボンブラシの接触面で激しい火花(アーク放電)を散らします。このアーク熱が、ブラシとモーターの接触面を物理的に焼き、工具そのものの寿命を極端に縮めてしまうのです。

つまり、弱い電力で工具を使い続けることは、ただ作業効率が悪いだけでなく、あなたの“相棒”である大切な工具の寿命縮めていることにもなります。

 

 

 

・昇圧機で電圧と共に作業効率を引き上げる!

この【現場あるある】の低電圧問題を解決するために、私が個人的に持ち込んでいるのが小型の昇圧機(トランス)

これは、現場で十分に確保できない100Vの電源を、適切な電圧に引き上げることができるツールです。

電動ハンマーで壁の躯体調整 ハツリ作業

 

電圧の安定化と工具最適使用

電圧を補正し適切なレベルに引き上げることで、過電流の発生を防ぎ、電動ハンマーなどの工具への余計な負担を軽減できます。

弱い電力で無理やり動かし続けるよりも、安定した強い電力の方が工具への負担が減り効率よく動作します。
そして、最適な電圧で使用することで本来のパフォーマンスを発揮できます。

💡特に大型の斫り機(電動ブレーカー、ペッカーやポリッシャーなど、レンタルで借りることもありますが、
安定していない100v電源だとまともに機能しないことが多いので、昇圧機とセットでリースされることも多いです。


圧倒的な破砕力強化 ※注意あり

元々しっかりした電源が確保できる現場であれば、昇圧機を挟むことで単純に破砕力が強化されます。
約15%〜25%アップのパワーで、硬いコンクリート相手にも負けない破砕力を生み出し、作業効率は劇的に向上します。

ショットブルなどの破砕力特化のノミと組み合わせれば、普段の電動ハンマーとは比べものにならない程の威力を発揮します。

ただし、安定化以上の強化を求めると当然デメリットもあります。
以下の注意を確認しましょう。

※昇圧機は、時として「劇薬」にもなり得る。

例えば、現場で90Vしか出ていない電力を100V程度に【改善】させることは、工具を守り作業を効率よく進めるための正しい行為です。

しかし、もともと安定した100V電源にさらに昇圧機を挟み、115V〜125Vに【過昇圧】させることは、
電動工具のメーカーの想定を超えた、自己責任の領域です。

圧倒的なパワーと引き換えに、モーターは設計以上の負荷を背負い、寿命を削る可能性も否定できません。

このリスクと引き換えの効果を理解した上で、どこまで性能を引き出すか、その「ブレーキ役」を担うのが、職人であるあなたの判断力なのです。


💡体感として、弱い電圧で作業するよりも、多少出力上げてでもしっかり電気を通してあげる方が工具の持ちも良いと私自身は感じています。

ですが、昇圧のパワーに魅了され、日常的に125%の出力で使い続けると、
スペックオーバーによる破損に繋がりかねないので理解なくパワーを上げ続けるのはオススメはできません。

私は、ショットブルと組み合わせて、電動ハンマーとしては最高(体感比)の破砕力で作業することもありますが、

あくまでも過度な出力アップは自己責任であることを念頭においてください。

 

 

💡まだある昇圧機の使用で注意すべき接続の鉄則

昇圧機は【魔法のボックス】ではありません。
電源トラブルを完全に消すものではなく、元の電源の容量に逆らうことはできません。

【鉄則】ブレーカー容量を意識しよう。
昇圧機は電圧を上げる代償として、電源側からより大きな電流を吸い込みます。
大元のブレーカー(15Aなど)の許容量を超える電流を吸い込もうとすれば、当然ブレーカーは落ちます。
昇圧機は、大元の分電盤に近い、容量に余裕がある場所に接続することが理想です。

【注意】プラグの熱に注意しよう
より多くの電流を集め、パワフルな電圧に変換するため、継続的に電力を流し続ける作業を行うとプラグやコンセント部分が
発熱に耐えられずに溶けてしまう可能性もあります。
そのまま放置するとショートを起こし、最悪の場合火災につながる可能性も否定できません。

理想は分電盤側の電源近くで昇圧すること。
ただし、現場の配線環境によっては延長コードの先に挟むしかない場合もあります。
その際は接続部の発熱やコードの傷みを確認しながら使いましょう。

継続的に使用する場合(例:特に集塵機や送風機のように休みなく稼働する機械)、
こまめに発熱の確認を行う・休憩中はプラグを抜き冷ますなど、対策を心がけましょう。
延長コードは許容電流に余裕のある太さを選び、ケーブルドラムは必ず“全て引き出して”使用。

 

・どの昇圧機を選ぶのか

日動工業 M-E20|建設現場向け2kVA昇圧トランス
  • 基本的には建設現場に持ち込む上で、現場ルールとして工具のプラグは3芯(または2重絶縁)に決められているところが多い。
  • 100v入力から115v125v選択可能。
  • 他の工具とともに持ち運べるサイズ。
  • 出力容量は2KVAで十分。

このような条件下を加味して私が使っているのがこちら👇


日動工業の昇圧機(トランス)M-E20です。

(ホームページはこちら👈)

日動工業 M-E20|建設現場向け2kVA昇圧トランス 紹介ページ
日動工業ホームページより引用

通販などでは20,000円程度で購入でき、ポッキンプラグ付きの3芯入出力で電動工具の使用に最適。

☝️スイッチなどもない反面、シンプルにプラグを挿すだけで安定した電圧強化を体感します!
2人で標準サイズの電動ハンマーでフルでハツっても問題はありません(入力元の電圧により変動)。

私の周りでも使っている職人の多い価格と使い勝手のバランスの良い定番モデルだと思います。

 


以下も周りでよく見る、同価格帯の使いやすいモデルになります。
ブレーカースイッチ付きの物もあるので、いちいち2次側のコードを抜かなくても安全に休憩に行けるのも魅力ですね!

スズキッドさんのトランスターハイアップSHU-20D

(ホームページはこちら👈)

スズキッド SHU-20D|ブレーカースイッチ付き昇圧機
株式会社スズキッドホームページから引用

育良精機さんのポータブルトランスPT-20U

(ホームページはこちら👈)

育良精機 PT-20U|ポータブル昇圧トランス
育良精機株式会社ホームページから引用


・昇圧機の有無で斫りの作業量が変わる!【賛否両論】について考える。

☝️もちろん、この昇圧機の持ち込みには、賛否両論があるかもしれません 。

僕は昇圧機を持っていないから、
他の職人が昇圧機を持ち込んでバリバリ作業を進められちゃうと相対的に僕の評価が下がっちゃうんだよね。

 

そういう声もあると思う、
でもね、良い仕事をしようとした結果、
例えば「斫りやすいショットブル」や「よく切れるコンクリートカッター」を自分で選んで持ち込むように、
現場の状況に合わせて昇圧機を持ち込んで対応する。

自分の意思で工夫ができる職人さんこそ付加価値が付いて評価が上がって行くと思うんだ。



☝️現場監督目線で見ると、昇圧機持ち込み時ベースで作業量を評価された場合、
個人の技術だけでは補えないほど、
「人によって作業量が全然違うじゃないか」と見えてしまいます。

しかし、私はこう考えます。

他人との差別化を図り、自分の価値を高めることこそが、職人の本分でもある 。

✅現場での評価は、あなたがどれだけ効率よく、そして質の高い作業を提供できるかで決まります。


個人単位で言えば、
【現場で設置された電圧の中だけで作業し、現場に用意されたボロボロの雑箒で清掃する。】
それも間違いではなく、
その限られた条件の中で自身の技術をフルに活かし依頼に対応するのも作業員として一定の評価に値するでしょう。

しかし、対応の幅を広げるために自分の意思で、【電圧が弱かった時】のために昇圧機を用意し、
斫りノミをショットブルにして、よく切れるカッターの刃を選び、清掃効率の良い掃除用具を持参する。

そのような現場に合わせた工具選びは、【ただの作業員】を超えた、
自立した職人として価値を高めることにつながるでしょう。


なるほど、
考え方が作業員マインドになっていたかも。

昇圧機に限らず、良い職人・良い職長ってのはいかに効率よく現場や会社に貢献するかを考えながら仕事しているんだね!

そうね!
配られた工具だけで言われたことだけをやる。
もちろん初心者のうちはそれも大事。

仕事を覚え始めたらそこに何を足していくか、自分が他の職人と比べて提供できる付加価値は何か?を考えていくと、
ただの作業員から信頼して作業を任せられる職人へとレベルアップしていけると思います。

 

 

 

・まとめ:ツールへのこだわりは、自己満足ではない「現場への対応力」である

今回は、電動工具の性能を最大限に引き出す昇圧機というツールの紹介を通じて、現場での効率化プロフェッショナルとしてのマインドについて語りました。

どんな高性能な工具(電動ハンマー、ディスクグラインダーなど) を持ち込んでも、
それを駆動させる「電力」という土台が不安定であれば、その性能は半減してしまいます。

昇圧機は、単なるパワーアップツールではありません。
それは、不安定な現場環境を自らコントロールし、最高のクオリティと効率を追求するという、プロの「こだわり」の象徴です。

  • 昇圧機を持ち込み、作業環境の改善を図り、職人としての付加価値を高め、自分のスキルと経験を最高の環境で発揮する
  • その結果、現場の監督からの「信頼」を勝ち取り、「次回も、ぜひ〇〇さんでお願いします」という最高の評価となって会社に伝わる。

たかが昇圧機、されど昇圧機。

このツールへの意識こそが、あなたを「その他大勢の作業員」から「指名される職人」へと引き上げる、最強の差別化戦略なのです。

最高の技術と良い道具を掛け合わせて、より良い仕事をしていきましょう。

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