現場職人の価値が見直される?米国のブルーカラー・ブームから読み解く【建設業の将来性】
こんにちは!【斫り・解体作業】の湘南ユーテックです。
突然ですが、最近アメリカ発のニュースで「配管工や電気技師が、ホワイトカラーより稼いでいる」と目にしたことはありませんか?
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが報じている米国の「ブルーカラー・ブーム」。
AI(人工知能)の進化でデスクワークの仕事が減る一方で、現場で汗を流す職人たちの価値が見直され、なかには事業で成功してミリオネア(富裕層)になる若者が増えているというのです。
「いやいや、それはアメリカの話でしょ?」
「日本じゃそんな夢みたいな話、ないよ」
そう思うかもしれません。確かに、日本ですぐに億万長者になれるわけではありません。
それでも、現場で働く一人の職人として、私はこのニュースに日本の建設業がこれから伸ばしていける「未来の可能性」を強く感じています。
言葉の解説:ホワイトカラーとブルーカラー
👔 ホワイトカラー(White-collar)
白い襟(ワイシャツ)を着て働く人。主にオフィスでの事務やデスクワークなど。
→ 今、AIの進化で仕事が減るかも?と心配されている領域。
👷♂️ ブルーカラー(Blue-collar)
青い襟(作業着)を着て働く人。建設、製造、整備など現場で働く職人。
→ AIに真似できない「手の技術」として、世界的に価値が急上昇中!
👇この記事では
- AI時代でも現場仕事がなくならない理由
- 国のデータから見える、若手職人の「希少価値」
- 建設現場のキツさを道具と工夫で軽減する考え方
- 資格・特別教育で作業員から一歩抜け出すキャリアアップの道
といったテーマを、斫り・解体作業に従事する現場職人の視点からお話ししていきます。
1. AIには参入できない「現場」という聖域
なぜ今、現場職人の価値が見直され始めているのか。最大の理由は「AIとロボットの限界」にあります。
近年急速に発展しているAIは、計算やデータ分析は得意です。しかし、私たちが行うような作業はどうでしょうか。
- 複雑に入り組んだリフォーム現場で、配管を避けて壁を解体する
- 図面とは違う現場の状況を瞬時に判断し、ミリ単位でコンクリート整形する
- 他業種の職人と「阿吽の呼吸」で連携する
こうした技術や工具を駆使し経験が物を言う「非定型」で「フィジカル(身体的)」な作業は、AIにはまだまだ真似できません。
例えば、私たちが得意とする「躯体調整(斫り)」という作業。
これは単にコンクリートを削るだけでなく、次に作業する左官職人さんが補修しやすいように、ミリ単位で調整する繊細な仕事です。
この職人間の連携や人間特有の心配りこそが、AI時代における最大の価値になり職人の評価につながります。
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2. データで見る日本の現状。「職人の希少価値」は約束されている?
では、日本の状況はどうでしょうか?
最新の統計によると、建設業に従事する人のうち、55歳以上は36.8%、29歳以下は11.7%と、高齢化と若年層不足が深刻な状態が続いています。
さらに、建設業の就業者数は1997年の約685万人をピークに減少し、2024年には約477万人まで落ち込んでいます。
出典:日本建設業連合会「建設業ハンドブック2024」
これらの数字が示しているのは、ベテラン層の大量退職と若手不足が同時に進み、「職人の希少価値」が急速に高まっているという現実です。
- 仕事がなくなる心配が少ない(安定性)
- 若手は希少価値として重宝されやすい
- 高い技術を持つ職人は単価交渉力が強くなる
経済の原則として、「需要(工事量)があるのに、供給(職人)が足りない」とき、技能を持つ職人の価値(賃金・待遇・交渉力)は上昇します。
就業者数が減り続ける一方で、住宅・インフラの維持更新など建設需要は継続しているため、「職人の価値が上がる構造」は今後も続くと考えられます。
言い換えれば、建設業の将来性は「人手不足」とセットで伸びていく分野だともいえます。
💡現状、私たち【斫り・解体職】においても、ありがたいことに需要に対し職人が足りない状況です。
建設業に限らず、各業種各社が工夫や努力を凝らして若手を確保することに専念しています。
現在の会社の待遇に不満を感じている方は、一歩踏み出して転職活動に挑戦すれば貴方の価値を再評価してくれる会社が数多くあるかもしれません。
仮に実際に転職しなくても【転職活動で自分の価値を知る】ことで、今の会社で給料アップするための交渉の強みにすることが出来ます。
3. 建設現場はキツイ?だからこそ「工夫」で改善する時代
「でも、現場仕事ってキツイんでしょ?」
正直に言います。楽ではありません。慣れるまでは体力も使いますし、夏は暑いです。(慣れても疲れるときは疲れます!笑)
しかし、昔のような「気合と根性ですべて解決する」という時代でもありません。
賢い職人は、「道具」にこだわり、身体への負担を減らしながら効率よく仕事をしています。
例えば💡
・昔は安い安全靴で足が疲れて痛めたりもしましたが、今は選べる種類も多くなり、少し高価でも疲れにくく格好良い有名ブランドの安全靴が主流になっています。
たかが靴と思うかもしれませんが、良いものを選ぶだけで1日の終わりの疲労感は全く違います。
・私たち斫り屋の例の一つとして、電動ハンマーも昔の重くてダイレクトに振動が響くものから、ずいぶん軽くなり振動も軽減されました。
☝️この様に、工具や保護具も選択肢が多くなり、アイデア次第で自由度も高くなりました。
最低限の装備で無理をするのではなく、身体や作業に合わせて自分で選び体を守るのも、プロの重要な技術です。
道具や保護具へのこだわり
4. 「ただの作業員」で終わらない!年収アップを実現する「高付加価値な職人」への2つの道
① 職人としての質を上げて付加価値を高める
初心者のうちは上司に言われた作業をしながらまずは覚えることが大切です。
しかし、何年経っても【言われたことしか出来ない】では、あなたの価値はそこで止まってしまいます。
それは、技術だけの話ではありません。
向上心を持って仕事を覚えた先、現場を効率よく進めるために現場監督にこちらから作業の提案したり、
現場の一員として貢献する意識を持って従事すると現場監督や他職の職長からの評判が会社に届き、
あなたの付加価値として評価され収入アップに繋がる可能性もあります。
② 職種にあった資格取得で付加価値を高める
そしてもう一つ、市場価値を高めるために不可欠なのが「資格」です。
現場の技術に加えて、資格を持つことで「できる作業」が増え、現場でのポジションも給料も上がります。
「働きながら勉強なんて無理…」と思うかもしれませんが、最近ではスマホ一つで資格勉強や特別教育の受講が可能です。
湘南ユーテックでは、こうした「賢いキャリアアップ」を目指す意欲ある社員を、全力でバックアップしています。
特に建設業には特定の作業に従事する上で受講が必要な特別教育が多岐にわたります。
作業に合わせて順に取得していくことをオススメしています。
✅️近年では動画を見るだけで受講できるオンライン教育も多くあり、意欲次第では作業員の枠を超えて現場の施工管理側までキャリアアップする可能性もあります。
まとめ:建設業の将来と働き方の選択肢
ここまで、少し難しい話もしましたが、最後に今日お伝えしたかったことを整理します。
- 米国ではAIの台頭により、ブルーカラー(現場職人)の価値が見直されはじめている
- 日本でも建設業の高齢化が進み、「若い職人」「技術を持つ職人」の希少価値が高まっている
- 現場仕事は楽ではないが、道具や保護具の選び方・工夫次第でキツさは確実に軽減できる
- 資格や特別教育を積み重ねれば、作業員から職長・施工管理など、キャリアアップの道が開ける
- ホワイトカラーかブルーカラーかではなく、「AIとどう共存するか」「どこで自分の価値を発揮するか」が問われる時代になってきている
もちろん、ホワイトカラー・ブルーカラーのどちらが正解という話ではありません。
人それぞれ向き不向きがあり、今後はその「向き」に合った働き方を選んだ人ほど強くなっていくと感じています。
「建設業が楽ではないなら、営業職のホワイトカラーがキツくないのか?」
正直、おそらく私にはとても向いていません💦
AIを扱いこなし、共存していける人は「稼げるホワイトカラー」として成長していくでしょう。
一方で、技術を身に付け、仲間と連携しながら手を動かせる人は、AIには絶対に代われない現場職人として必要とされ続けます。
もちろん0か100かの極端な話ではなく、すぐにどちらかが消えるわけではありません。
パソコンの前でAIに仕事を奪われる不安と向き合うか、AIには手出しできない現場で「一生モノの技術」を身につけるか。
その選択肢に悩む価値は、これからますます大きくなっていきます。
もしあなたが、後者の生き方に少しでも可能性を感じるなら。
私たちは、あなたのような仲間を待っています。
人手不足の日本で、誰よりも必要とされる「プロの職人」になりませんか?
▼湘南ユーテックで一緒に働きませんか?


