毎日のKY記入:あなたの価値を高めるKY用紙の書き方

斫り(はつり)屋が考える面倒なKY記入をあなたの評価に繋げるマインド

KY記入中 画像

「今日も朝からこの紙か…」

毎朝、建設現場でKY用紙(危険予知活動記録紙)を前に、ため息をついている職長さん、いませんか?

正直に言うと、昔の私もそうでした。
「どうせ形式だけで、誰も真剣に読んでないだろ」「毎日同じ作業だし、書くことなんてないよ」と、
思考停止で「手元足元注意」「整理整頓」とだけ書いて提出する毎日。

しかし、職長として、一人の経営者として現場を見るようになった今なら、断言できます。
その毎日何気なく書いている一枚の紙切れが、将来的にあなたの評価につながることを。

この記事では、そんな「面倒くさい」KY用紙を、
「決まりだから書け!」「ルールだから書け!」「安全のために書け!」ではなく


最初は義務的でも仕方ない、どうせ書くなら
「毎日書かされるKY用紙」「最強の名刺」に変えて、あなたの価値を高めていきましょう。

こんな方に読んでほしい

  • KY用紙をただの"義務作業"だと思っている
  • 「作業」は頑張っているはずなのに会社や現場の評価が上がらない
  • 「危険予知」と言われてもピンとこない若手職長
  • 部下に"考える力"を身につけてほしい経営者や親方



⭐️「安全のためにKY用紙をちゃんと書きましょう」ではありません。
それで私含め、皆さんが意識高く動けるなら悩みはありません。



そうではなく、あなたの価値を上げるためのツールの一つとして書きましょう!



そのマインドをこの記事で伝えたい。

その結果として現場やご自身の安全にもつながっていくのです。


・「雑なKY記入」が生む、3つの"もったいない"損失

「これまでこの書き方で大丈夫だったから…」その思考停止が、知らず知らずのうちにあなたにとって大きな損失を生んでいるかも...

⚠️損失①:本当の危険を見過ごし、安全を損なう

機械的に書くときの代名詞「手元足元注意 !」「これだけ書いておけばいいや」の定番、もはやおまじないみたいなものです。
現場内では歩くだけでも手元足下を注意するのは当たり前ですからね!


これでは作業内容に関する具体的な危険が何も共有されず、万が一の事故の引き金になりかねません。


特に、慣れや油断からくる「不安全な行動」こそが事故の主な原因。
その芽を摘むためにも、具体的な危険を言葉にする必要があるのです。


あなたの【その日の作業に対する危険意識】のオリジナリティが求められます!

⚠️損失②:周囲からの信頼を失い、評価を下げる

監督や元請けの担当者は、あなたが思っている以上にKY用紙を見ています。

「この職長は現場のリスクを考えていないな」と判断されれば、仕事の腕とは別のところで静かに信頼残高が減っていきます。
これは、作業には自信があるあなたにとって非常にもったいないことです。

⚠️損失③:自身の成長機会を逃し、ただの「作業員」から抜け出せない

危険予知は、段取り力や想像力を鍛える最高のトレーニングです。

ただ言われたことをこなすだけでなく、「この先どうなるか?」を考える習慣こそが、
あなたを「現場を任せられる職長」へと成長させてくれます。それを放棄するのはあまりにもったいないのです。



・KY用紙の書き方|現場で使える基本構造と3ステップ

では、どうすればいいのか?

何も難しい専門用語を覚える必要はありません。

現場で使われている基本の「型」と、それを導き出すための簡単な3ステップを覚えれば、あなたのKY用紙は劇的に変わります。

これが基本の型!「作業」「原因」「結果」で考える

デキる職長が書くKYには、共通の「型」があります。それは、

  • 何の作業時に(どんな状況で)
  • 何が原因で(不安全な行動・状態)
  • どうなる(事故・災害の型)

この3つをセットで書くことです。これを導き出すための思考プロセスが、次の3ステップです。

STEP1:作業を「細かく分解」して考える

まず、「今日の作業」を漠然と捉えず、特に危険そうなその日のメイン作業を想定し、
「どこで」「何を」「どんな道具で」と具体的に分解して考えるのが第一歩です。

(NG)各所斫り作業
 ↓
(OK)3階B工区の壁を、立ち馬に乗って、電動ハンマーで斫る


STEP2:「もしも…」で危険の"原因"と"結果"を想像する

分解した作業に「もしも〜だったら危ないよ」と問いかけ、先ほどの「型」に当てはめていきます。これが危険予知の肝です

  • (何の作業時)立ち馬上で斫り作業中、
  • (何が原因で)足元の確認を怠ったため、
  • (どうなる)立ち馬が転倒し、転落して骨折。
  • (何の作業時)外部足場で壁の斫り作業中、
  • (何が原因で)大きなコンクリートガラが落下し、
  • (どうなる)下の作業員に激突する。

STEP3:「だから、こうする」で具体的な対策を書く

STEP2で見つけた危険に対して、「注意します」で終わらせず誰が読んでも分かる具体的な行動を書きましょう。

【KY用紙への記入例】

  • 危険のポイント: 立ち馬上作業中、足場不良により傾き、横転・墜落し骨折。
  • 対策: 作業前に立ち馬の設置場所が水平か確認し、脚のロックを確実に行う。

  • 危険のポイント: 足場上で斫り作業中、ガラが落下し下の作業員に激突する
  • 対策: 作業エリア直下を区画表示し、立ち入り及び上下作業禁止を徹底する。


・【応用編】「書くことがない…」を防ぐ、思考のヒント

「KY用紙には3項目は注意事項を書いてください」
☝️現場ルールとしてよくある文言です。

これを毎日続けていると、どうしてもネタ切れになることがあります。そんな時は、以下の視点を思い出してください。

  • 昨日の「ヒヤリハット」をネタにする:
    昨日や最近の作業で「危なかったな」と感じたことはありませんか? 「〇〇の時、もう少しで手を挟みそうになった」など、
    実際に体験したヒヤリハットこそ、最高の教材です。
  • 周りの職人の動きをネタにする:
    自分の作業だけでなく、現場全体の動きを見てみましょう。
    「〇〇屋さんが資材を運んでいる通路と自分の作業範囲が被っているな」など、他業者との関わりの中に危険は潜んでいます。
  • 天気や環境の変化をネタにする:
    「昨日の雨で足場が滑りやすくなっている」「今日は風が強いから、資材が飛ばされるかもしれない」など、
    いつもと違う環境の変化は、格好の危険予知のテーマになります。



・テンプレを用意するのは悪いことじゃない

ここまで、ノー思考で同じことを書くのをやめようと言ってきた私がこんなことを言うとズッコケルかもしれませんが、

テンプレだっていいじゃない!!

これです!

どう言うことか👇

 

💡思考しないこと≠用意すること

「その日の作業に合わせて考えて書こう」と言っても、実際には毎日違う作業をするわけでもないし、
前日と同じ作業をやることもあります。

毎日違うことを書かなきゃいけないからと、毎回0から文を考えていたら朝から仕事になりません。

何度も言う通り、何も考えずに毎日同じことを適当に書くのではなく、
考えた上で、あらかじめ用意していた文を当てはめていく。


そして、頭の中に用意しておくストックやパターンが多いほど
日々変わる【その日の作業】に適したKYが簡単に書けるようになっていきます。

💡【この作業ならこれを書く】を何パターンか決めておく

では何をストックしておけば良いのか。
私たちに関連する作業で書き出してみましょう。

斫り作業時

  • 体勢が悪くて ピックの先に手を置いてしまい 誤って叩いて骨折した
  • ガラや粉塵が飛散し 目に入り負傷

カッター作業時

  • 振動で安全カバーが外れ 指を巻き込み負傷
  • キックバックで跳ねて 刃が体に触れ裂傷
  • 粉塵が飛散し 近隣を汚損させる

足場上作業時

  • 手摺が外れて 転落し 骨折
  • 工具が落下し下部の作業員に当たり打撲を負わせる

このように、この作業があるからこの対策を書こうとイメージしておくことが大切です。

💡作業内容を具体的にするほど、テンプレの組み合わせは無限大!

上記のように【このワード(作業)があるならこのリスクを書こう】のストックが増えてくれば、
メインの作業内容を記入する際、ワードを組み合わせて具体的に書くほど注意事項も簡単に書けるようになります。


例えば、本日の作業内容のメインが
【北側外部足場上で外壁の斫り作業】

であれば、先ほどのストックの中から斫り作業時・カッター作業時の他に、足場上の作業についてまで書けるので
3項目くらい簡単に埋まります。

例 書き方

本日の作業内容
北側外部足場上で外壁の斫り作業。

主な作業の危険ポイント(3項目)
1・足場上作業時 手摺が外れて 転落し 骨折
2・  〃   工具が落下し下部の作業員に当たり打撲を負わせる
3・斫り作業時 ガラや粉塵が飛散し 目に入り負傷

危険に対する対策
1・作業エリアの足場を点検し、安全帯を確実に使用して転落防止
2・区画や声掛けを徹底し、上下作業禁止
3・保護メガネやマスクなど保護具の適正使用

どうでしょうか、
危険に対する対策】も同じ考えですね。

このように【この作業に対してこの危険】【この危険に対してこの対策】
をパターン化して作っておくと、その日の作業に対してのKYがスムーズに書けるようになり、
同じ作業が続いても、組み合わせを変えるだけで

【毎日同じことを書いている形だけのKY記入】を避ける事ができます。


・KYテンプレのストックはどう貯めるのか

これに関しては、あなたがどのように現場や作業を見ているか、
それをどのように分解して考えられるかだと思います。

 

最初は悩みながら KY用紙を書くこともあるかもしれません。
私自身、今でも初めての状況での作業にどう書こうか迷う時があります。

ですが、その状況に真摯に向き合い、危険ポイントと対策を書けたらあなたの中に
また一つ次回以降に使えるテンプレがストックされていることでしょう。

 

 

・その「思考力」を活かす、これからのキャリア

💡私は、現場での自分の価値を高める一つの方法として【朝礼】【ラジオ体操】そして【KY活動】についてのマインドを書いてきていますが、
これらを実践できるあなたの思考力と責任感は、これからのキャリアを切り開く大きな武器です。

 

💡今の会社で評価をさらに高める(スキルアップ)

もう一つ、あなたの価値を高める方法として代表的なのは「資格取得」です。

今回の記事の例で言えば「職長・安全衛生責任者教育」などを取得すれば、知識と意欲を明確に示すことができ、昇給や責任ある仕事に繋がります。
そして、何気なく行なっている作業や使っている工具に必要な資格や特別教育も多いのです。

☝️専門的な資格では基本的には各会社で取得させてもらっている場合が多い思います。


皆さんの会社もまだまだ平日に現場を空けたり、日曜日を返上してみんなで受講しに行くことが多いのではないでしょうか。


私自信、最近まで知らなかったのですが(遅れてる!?)、
今は建設系の資格もE-ラーニングとして自宅や会社にいながら空き時間に動画を見て受講できるそうです。


上記は数ある受講センターの一部抜粋です。

個人や一人親方でも可能なので、取得しておきたい資格や特別教育があれば調べてチャレンジするのもオススメです!
(実技が必要な資格は各事業所で専任者を決めて決められた時間の指導を受ける必要があるようなので注意)

💡転職活動で正当に評価される場所を探す

実際の転職には勇気もいる、リスクもある。
しかし【転職活動】にはリスクはありません。


ですが、転職活動をするということは、必ずしも今の職場を辞めることに繋がりません。
転職活動により、他での収入目安を知れば【自分の価値を知る】ことに繋がります。

転職サイトや、転職エージェントに相談した結果、
今の給料が実は相場より上かもしれません!

自分の価値を知ったとき、自分が思っていたより会社があなたに還元してくれていることを知れば、
今まで以上に会社に貢献できるあなたになれるでしょう。

建設業界だけでも会社や業種により給料の差はピンキリです。
転職活動の結果、あなたの会社や業界に限界を感じたのなら勇気を出して転職に踏み出すことも検討しましょう。

 

 

・まとめ:KY用紙を、あなたの価値を高める「最強の名刺」にしよう

今回は日々面倒と感じるKY用紙の記入についての考え方について書きました。

「安全のため、現場のためにちゃんと書け!」ではなく、
あなたの価値を高めるマインドという視点からKY用紙の書き方について触れました。

  • その日の主な作業を分解して考える。
  • 具体的に書くほど危険ポイントも書きやすい。
  • 記入経験とともにテンプレをストックしていく。

現場でのあなたの評価を高めながら効率の良い書き方を覚えましょう。



営業職の人が配る名刺を想像してみてください。
何百枚と配っても、実際に大きな利益に繋がるのは、そのうちのほんの数枚かもしれません。
だからといって、内容の薄い適当な名刺を配り続けるプロはいませんよね。

KY用紙も全く同じです。
毎日あなたが書くその一枚は、現場監督や元請けに毎日手渡している、あなた自身の「名刺」になりうるのです。

思考停止で書かれた名刺は、誰の記憶にも残りません。それどころかマイナス面で目に留まるかもしれません。

しかし、日々そのクオリティを高め、あなたの具体的な思考が詰まった名刺を渡し続けることで、
あなたの価値に気づいてくれる可能性は確実に増えていきます。

毎日真面目に書いても、ほとんどは気にされず流れていくかもしれません。
しかしある日、その一枚がキーマンの目に留まったとき、「この職長は本物のプロだ」という揺ぎない信頼に繋がるのです。


この記事が、あなたの明日のKY用紙を、少しだけ変えるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

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