【はつり作業】気持ちはわかるが、保護具は着用しよう!

斫り屋・解体屋の現場で使う、基本保護具まとめ

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1. 保護具に対する「面倒だな」と感じる気持ち、みんな通る道です

斫り(はつり)や解体の現場に入りたての頃、
「マスクに耳栓やゴーグル、全部着けるのって面倒くさいな」と感じた方も多いと思います。

視界も悪くなるし、暑いし、息もしにくい。
保護具をフル装備すると、正直ちょっとストレスを感じるのも事実です。

でもそれは、実は誰もが通る感覚なんですよね。
大切なのは、「だから着けなくていい」ではなくて、
なぜ着けるのかを知って「着けることに少しずつ慣れていく」こと。

このブログでは、そんな現場のリアルな感覚も大事にしながら、
はつり屋・解体屋でよく使う基本の保護具について、
実際の使用場面や理由を交えて紹介します。



「自分の体を守る道具」として、ぜひ参考にしてみてください。


2. 斫り・解体現場で必須の保護具【基本セット7選】

保護具装着例

ここでは、現場でよく使われている代表的な保護具を7つ紹介します。
どれも「これがあって良かった」と思うタイミングが必ず来ます。


① ヘルメット(頭部保護)

言わずもがなですが、頭は最も大事な部分の一つ。
万が一の落下物や、頭上の障害物による負傷から頭を守りましょう。
型式検定(労・検)に合格したヘルメットを、あご紐までしっかり締めて着用しましょう。


② 保護メガネ・ゴーグル(目の保護)

斫り作業では、破片や粉じんが目に飛んでくることがよくあります。
側面までカバーされるゴーグルタイプがおすすめ。
曇り止め加工がされているタイプも多く、視界の確保も重要なポイントです。


③ 防じんマスク(呼吸器保護)

粉じんの中には、結晶質シリカや石綿(アスベスト)など、
肺に入り込むと長期的に健康被害をもたらすものが含まれています。

各作業に対応したマスクを選ぶことで、
呼吸器を守る“フィルター”としての役割を果たしてくれます。


直接的な被災を感じにくいので甘く考えてノーマスクや不織布マスクで作業している方も見られますが、
粉塵作業に従事する際、もしくは粉塵の近くで作業する際には必ず防塵マスクを着用しましょう。


④ 耳栓・イヤーマフ(聴覚保護)

ハンマードリルやブレーカーのような機械は、90db以上の騒音を出すこともあります。
騒音性難聴は気づかないうちに進行するため、耳の保護も決して軽視できません。


若いころに耳栓をしてこなかったベテラン職人さんで難聴になっている方は本当に多いです。
『今』を甘く見ないで、しっかり保護具で対策すれば長期のリスクも防げます。


⑤ 手袋(切創・振動対策)

工具の振動、斫りガラ、鋭利な材料、重量物など、手は様々なリスクにさらされます。


切断作業には耐切創性のある手袋や、斫り作業には振動病対策として防振タイプを使い分けるなど、
作業にあった手袋を着用することで安全性が高まります。


⑥ 安全靴(踏み抜き・落下物対策)

足元の安全も忘れてはいけません。
釘の踏み抜きや、重い資材の落下など、足元のリスクも多いため、
先芯入りの安全靴は必須といえる装備です。


過酷な現場で毎日一日中履くものですので、出来るなら履き心地や歩きやすさも意識すれば
疲れの軽減にもつながります。


⑦ 墜落制止用器具(フルハーネス型、胴ベルト型)

高所作業なら墜落制止用器具・通称『安全帯』が必要です。
労働災害の多くは今でも墜落・落下事故によるものなので、必ず使用しましょう。

作業床の高さによって対応する型が変わります。
4メートル以上の高所で作業することが多いようであれば、必ずフルハーネス型を用意しましょう。


そして、フルハーネスを着用するためには特別教育も受けなくてはなりません。
会社と相談して速やかに受けるようにしましょう。


3. なぜそれが必要なのか?──“何でもない日常”を守るために

「これまで大丈夫だったから、これからも大丈夫」
──そう思いたくなる気持ちもあります。

でも、事故やケガは「今」突然に起きるんですよね。

・コンクリ片が目のすぐ横をかすめた
・粉じんで咳が止まらなくなった
・足場の鉄板が滑った
・鉄骨が足元に落ちてきた

そんなとき、保護具を着けていたかどうかで結果は大きく変わります。
“何でもない日常”を守ってくれているのが、保護具なのです。


4. 保護具は快適ではない。でも、それでも着ける理由

確かに、保護具は快適なものではありません。

・暑い
・視界が狭い
・動きにくい
・呼吸がしづらい

けれど、「ケガをしたあと」「病気になってから」の不自由に比べれば、
今の“ちょっとした不快”の方がはるかに軽いものです。

保護具を使うのは、「未来の自分の体を守る行動」と言い換えることもできます。


5. 最初は「怒られたくないから」でも構わないと思います

現場や会社では、保護具について厳しく言われることが多いと思います。
「ヘルメット被れ」「マスク着けろ」「その手袋じゃダメだぞ」

正直、そう言われるたびに「うるさいな」と感じる方もいるかもしれません。

でも、最初は「怒られたくないから着ける」でもまったく問題ないと思っています。

まずは習慣として“着ける”ことを体に覚えさせる。
それが当たり前になっていけば、自然と「意味」も後からついてきます。

そしてある日ふと、「あ、これがあって本当に助かったな」と思える瞬間がきっと来ます。


6. 「ちゃんと着けてる人」が、結果的に信頼される

とは言え、現場では保護具をきちんと着けている人の方が、
結果的に“信頼される存在”になっていきます。

  • ミスを減らす
  • ケガをしない
  • 作業が止まらない

安全に気を配れる人は、仕事全体を見渡せる人でもあります。
そして何より、自分自身の体を大事にできているという証です。

保護具は「誰かに言われたから」ではなく、
「自分で選んで着けるもの」になったとき、自然と自信が生まれます。

7.余談で・・・ラジオ体操!

ケガ防止の観点でいえば、朝礼前のラジオ体操も同じですよね!
後ろから見ていて手足を小さくフラフラさせてとりあえず動いているだけな人が本当に多いのです。
前に立つ現場監督から見れば、本人が思っている以上に悪目立ちして、
『そんなこと』一つで自身の評価を下げていることにもつながっています。

私も昔、若いころはそうでした。
周りがダラダラ体操している中で自分だけしっかりやるのも恥ずかしくかっこ悪いと。

ある時、ふと思ったのが、やれと言われて周りと同じようにダラダラやっていると
『だらけた職人の中の埋もれた一人』になっていることに気づき情けなさの様なものを感じました。
主体性をもって自分のために行ってみてください。
張り切って誰よりも目立て』とは言いません

どうせやらされるなら作業前の自分のストレッチのために体を動かしてみると意外と気持ちい良いですよ🌟
そして、だらだらとただ動いているだけの人がかっこ悪く見えてくると思います。

8.実際に使用している保護具一覧

以下は私が使っている保護具になります。
実際に使用するうえで便利なもの、安全なものを選んでいますが、
体形に合うフィット感や、自信が行う作業や必要性に応じて選ぶことをお勧めします。

・ヘルメット

ヘルメット ヴェンティープラス スチロール入り
トーヨーセフティー(TOYO SAFETY)
ヴェンティープラス


トーヨーセーフティーのシールド付き!
やはりこのシールドが本当に便利!
保護メガネじゃガードしきれない火花や粉塵をとっさに防げるのは本当に心強い!
しかしシールドなしのシンプルなヘルメットに比べ重量があるため、
ヘッドライトなどを追加してしまうと慣れるまで首に影響出るレベル。












・保護メガネ

トーヨーセフティー(TOYO SAFETY) TOYO 防じんメガネ No.1350
トーヨーセフティー(TOYO SAFETY) TOYO 防じんメガネ No.1350

ガラス製で傷に強いトーヨーセーフティーの保護メガネ
ガラス製なので粉塵が付いた手袋で拭いてもちょっとやそっとじゃ傷つかない!

ですが、ガラスなのでコンプレッサー作業など大きなガラが飛んでくると割れてしまう、また火花にも弱くサンダーや溶接の火の粉を浴びてしまうと焼き付いてしまうので注意。



👇店舗で見かけることは稀ですが、個人的にこちらも良く使います。
こちらの眼鏡が視界も広く、サイドガードもありオススメ。

山本光学 保護メガネ
山本光学 YAMAMOTO YS-75

山本光学 YAMAMOTO YS-75 保護めがね

  • 4段階の角度調節可能なテンプル。
  • 上下ひさし・サイドカバー付きで防護性能が高いモデル
  • 両面ハードコート くもり止めレンズ。
  • 有害な紫外線(380nm以下)を99.9%以上カット。

ガラスレンズではないので傷に対する強度は落ちるが、
割れる心配も少なく、火花にも強いので汎用的に長く使える良い保護メガネだと思って使っています。


・防塵マスク

興研 防じんマスク サカヰ式 1005R-08型
興研 防じんマスク サカヰ式 1005R-08型

 
👆私はこのモデルを使っています。
フィルターが横長で広い面で設置されているので飛んでくるガラや火花からの顔の防護としてもオススメで、
広いフィルターのおかげで呼吸もしやすく、顔に接するシリコンも広くて密着させやすく安心感があります。
その防護性能から溶接対応モデルとして売られているようです。

楽天販売ページから以下の防塵マスクの豆知識ページを見つけましたので自分に合ったものを選ぶ参考にぜひ🌟

サミーショップ楽天市場店さんから引用


・耳栓

耳栓

個人的にはウレタンスポンジタイプの方が遮音性も高くオススメですが、人により耳の形も違うので、
耳に合ったものを装着するのが一番だと思います。
100円ショップや、ワークマンなどでも安く売られているので消耗品だと割り切って常に予備を用意しておきましょう。
以下の商品は参考です。




※耳栓の代わりとして【Bluetoothイヤホンのすすめ】

賛否両論あるのですが、わたしは【耳栓としての遮音性】が十分あるならば
ワイヤレスイヤホンを推奨しています。

なぜなら、特に職長だと現場監督からの電話連絡が頻繁に来たり、
広い現場では職人同士で電話で連携を取らなければならない場面も多いです。

騒音対策のため耳栓をしていて緊急の電話連絡にも気付かない、または、連絡が来るたびに
手袋を外し、耳栓を外し、やっと電話に出た時には着信も切れ…なんてことがたびたび起こり
作業のロスに繋がります。

作業中に『好きに音楽やラジオを聴くためにイヤホンを付けろ』というのではなく、
遮音性が高く、ワイヤレスが進化した昨今では作業の効率化の一つとして勧めています。

私が従業員にオススメするイヤホンのポイントは

  • 物理ボタン・・・手袋をしていてもカチッと押して即通話!主流のタッチボタンじゃ無理。
  • 耳栓としての遮音性・・・耳栓の代替と言うところが最低条件!
  • ある程度の防水性・・・汗や粉塵で簡単に壊れない程度の防水性能!

それを満たしたうえで、作業中に何を聴いているかまでは把握するつもりはないですが、
複数人協力の作業や、緊急時の声掛けが聞こえないほどの音量で音楽を垂れ流して聴いているなんてことは、
現場での危険リスクを上げるだけなので絶対に無いようにしましょう。

上記の条件を満たしていて、物理ボタンが圧倒的に使いやすく、愛用していたモデルが以下になります。
決して最新型ではないですが、なかなかこれを超える使い勝手のモデルがないほどでした。


本体の広い面に大きな物理ボタンが付いていて、手袋をしたままで、
タオルや保護帽子で耳を覆った上からでも操作できるのがポイントです。

サウンドピーツ ソニック


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・保護手袋

理想はこちらの様な免振手袋を着用。

免振手袋しんげんくん

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上記のような免振手袋は工具による振動をかなり低減してくれます。
...が!
防振に特化しすぎていて細かい作業はしにくいです。
エアーのブレーカー作業や、長時間振動が続く研磨作業などではとても有効です。

※実際の現場では

通常、電動工具作業時の着用実態としては、
【軍手などの手袋+革手袋】のパターンが多いです。

私は、手袋はワークマンの【匠】シリーズの紫のやつを愛用しています。

厚すぎずに、半ゴム手になっているので細かい作業や軽作業はこれ一枚で、
斫り作業やカッター作業には、匠に加えて革手袋を被せることで防振性や保護能力を強化させるイメージです。
1双100円程度なので、買いやすく、軍手よりも丈夫で洗って使えるのでリーズナブルです。

ワークマンオンライン👈

ワークマン保護手袋takumi
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ワークマンオンライン

革手袋もこのようなセット売りされているリーズナブルなもので十分です。
斫りガラに触れているとどうしても穴が開いてしまうことも多いので、
値段の高いかっこいい手袋を買ってももったいないですね。

以上は参考ですが、このように組み合わせて重ねて使うことで作業性を良くしつつ、防振性を調整して作業することをお勧めです。


・安全靴

安全靴と社員

こちらも今ではスニーカータイプも普及し、多種多様なものが販売されているので、
人それぞれになりますが、

大まかにいえば、斫り作業や解体作業で靴内へのゴミの進入を徹底して防ぎたいのであれば
このような足袋靴やブーツタイプになります。

解体作業であれば釘の踏み抜き防止機能の付いた靴やインソールもあります。

歩きやすさや疲れ軽減重視で履くならスニーカータイプがおすすめですね。

私個人の好みや社員に配っているモデルと言えば絶対にこれです
👇アシックスのハイカットスニーカータイプのCP302

アシックス CP302

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記事投稿現在の2025年7月時点の価格が値上がりしすぎですね💦
有名スポーツブランドの安全靴が気軽におすすめできない価格になっています💦

それでもどれがいいかと言われれば独断でいえば圧倒的にこのモデルです。

簡単にですが以下オススメポイントです👇 特にベルクロによる恩恵が大きいですね!

  • 歩きやすく疲れにくい!
  • 脱ぎ履きしやすい!
  • ゴミが入りにくい!
  • なにより滑らない!

細かく説明しだすとこれも一つの記事になってしまいそうなので割愛しますが、
もう何足も同じモデルを履き継いでいるくらいには個人的オススメ第1位です!
(さすがに値上がりしすぎて今後どうしよう💦)

どうやら正式な(?)後継型が発売しているようなので機会があれば履いてみたいと思います。

アシックス CP312
アシックス ウィンジョブ CP312

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価格高騰でオススメしにくくなっていますが、
安く見つけた際は試しに履いてみてください。

👉さらに詳しくCP302について

 

 


・墜落制止用器具(安全帯)

フルハーネスを着用して解体

ハーネス型

私が使っているのはこれです。

TJMデザイン ハーネスGS蛇腹ダブルL2セット M 黒 A1GSMJR-WL2BK 1セット価格:18678円
(2025/7/8 12:30時点)
感想(3件)

なぜこれかと言う明確な理由はありません(⁉)
たまたま元請け関連でまとめて購入していただいたのがこのタジマのシリーズだっただけです。

しいて言えば、もともとは同じシリーズのリール型を装着していました、
ですが、背中にリールが付いているのでランヤードを伸縮させながらガラを浴びて作業をしているとリール内に細かいガラや粉塵が挟まって壊れることが多いです。
なので私は蛇腹式に変えました、伸びて戻らなくなったランヤードをぶら下げて歩くよりもよほど安全で、重量も軽くだいぶ快適になった覚えがあります。

胴ベルト型

ツヨロン 胴ベルト型墜落制止用器具 リトラ 黒 Mサイズ TBRN590BLKMBP価格:7431円
(2025/7/8 12:45時点)
感想(9件)

当時ハーネス型ばかり話題先行で、なかなか低床足場用の新規格同ベルト型が手に入らなかった時に
たまたま見つけたのがツヨロンのこの安全帯で、他との明確な違いは分かりませんが、
今でも同じものを購入し愛用しております。

9.最後に

保護具についての持論と、実に使用している保護具や一例の紹介をさせていただきました。

保護具や工具の保護カバーについて、
『別に、俺はケガしないから』と適当に身に着けているだけで使用しない人もいます。

ちゃんとつけるのは面倒くさい、かっこ悪いと。

今、しっかり保護具を使用している人の中には、長い職人生活の中で細かいケガやヒヤリハットを
経験し、危険を学んで保護具の重要性に気付いた人も多いかもしれません。

たまたま、大事に至らずに学んでこれたから良いのです。

大事にならない保証があるのなら、ケガをしながら学んでいけば実体験ベースで保護具の重要性に気付いていけると思います。
実際、若い方は怒られるから着けているだけの人も多いかもしれません。

何が言いたいかと言うと、
逆に【保護具の重要性に気付く前に取り返しのつかないケガを負ってしまった人】も多い
そして【今を適当に過ごして将来の障害を見えてない】人が多いのです。

なので、最初は怒られるからという動機でも構いませんが、
たまたまこの記事を読んでくれた方が、少しでも早い段階で保護具の重要性と
面倒なものを着用してでも身を守るカッコよさに気付いて実践してもらえたらと思います。

長くなりましたが、読んでくださったあなたにも、
この文章がほんの少しでも“気づき”のきっかけになれば嬉しいです。
ありがとうございました。

熱中症対策の義務化、身を守る対策についてはこちら

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